土曜日になると無性にカレーが食べたくなる! そこで、材料を買い込んで張りきって家で作ってみたものの、なんだか妙に味がぼやけているような……。
煮込んでルウを溶かすだけのはずなのに失敗した?こんなとき、ぼやけたカレーの味を濃くする方法はないものでしょうか?
そんな疑問に応えるべく今回は、カレーの味がぼやけてしまう原因と、後からでも味を濃くする方法や使える調味料などについてご紹介します。
カレーの味がぼやける原因は?
せっかく作ったカレーの味がぼやけてると感じるのはなぜでしょうか?結論からお伝えすると、カレールウと水分の量が合っていなくて味が薄まっている、ということが言えます。
カレーにあるイメージが失敗する理由?
水分量が合わないのは、鍋に水を多く入れすぎてるか、または投入するルウが少ないかのどちらかと考えられます。これはカレールウのパッケージに記載されている分量を見ずに作っていることが原因といえるでしょう。
水を多く入れすぎてしまうのは、カレーは鍋いっぱいに作るというイメージがあるからかもしれません。
ルウの量が少なくなるのは、具材を煮込んでいる鍋にカレールウを加えて混ぜると、たとえルウの量が少なかったとしてもカレーの味と香り、色とトロミが付くので「これで大丈夫」と勘違いしやすいのが原因ではないでしょうか。
カレーは大まかに作ってもルウさえ入れればできてしまう簡単な料理というイメージがあるので、分量を計らずに作ってしまいがちですが、だからこそルウと水の量がキーポイントとなります。
また、ジャガイモが煮崩れると水分を吸ってドロっとするので少ないルウでも強いトロミが付きやすく、反対に少し薄めようと水を加えてしまうということも。
このようにトロミ具合や色などを基準にしてしまうとなんとなく味気ない、ぼやけたカレーになってしまう可能性があります。
味がぼやけていてもカレーの味はするので、ルウが足りてない・薄い、と思いにくいのかもしれません。
カレールウひとかけに対する水の量は?
一般的な商品だとカレールウが8等分くらいにされていますが、そのうちの1個に対しての水の量は150ml前後とされています。そこから具材を20~30分煮込むので蒸発してさらに水分量は減ります。
そう考えるとルウ1個でできるカレーの少なさが想像できるのではないでしょうか。ですからパッケージに記載された水の量とルウの個数を守ることがぼやけた薄いカレーを作らないためにもっとも大切です。
ちなみに、カップアイスのMOW(モウ)という商品を食べたことがある方も多いと思いますが、あの内容量が140mlとなっています。1個のルウでしっかり味付けできるのはそのくらいの水分量ということです。
食品メーカーは野菜からでる水分や調理中の蒸発量まで考慮してルウと水、具材の量を記載しているのでまずはそれにそって作るのが美味しいカレーへの最短距離と言えるでしょう。
カレーの味を濃くする方法!【簡単】
ここまで見てきたように味がぼやける原因は水分量に対してルウが少なすぎることなので、味を濃くするには足りない分のルウを追加してやります。これが一番簡単で間違いのない解決策です。
しかし、手元にルウが残っていない場合もあります。そんなときはどうすればよいのか、成功しやすく難易度が低くて簡単と思われる対策方法から順に紹介していきます。
カレールウを買ってくる
ルウなしで味をこくするのはなかなか難しいものです。やはり市販のカレールウを足すのがもっとも安全確実で簡単に味を濃くする方法といえます。
少し面倒かもしれませんが、コンビニやドラッグストアにもあるので特に料理初心者さんならササッと買ってきてしまうのがオススメ。また、レトルトカレーがあるなら加えるのもありです。
煮詰める
煮詰めて鍋の水分が蒸発して減れば必然的にカレーの味は濃くなっていくので、味見しながら良きところを見つけましょう。煮込み時間を長くするだけなので比較的ラクですが、予定していた量より少なくはなります。
●気をつけるポイント
カレーは火にかけてほっとくと焦げつくのでたまにヘラで鍋底をこすり混ぜながら弱火~中火で。
それと、ジャガイモやタマネギなどの具材は長く煮込むと溶けて存在感がなくなります。それを防ぐには具だけ取り出しておいてカレーだけ煮詰めるとよいでしょう。
調味料でカレーの味を作り濃くする【難易度:低~中】
カレーの量を減らしたくないからあまり煮詰められないという際には、調味料を使って味を作っていくことになります。
カレールウはスパイスと小麦粉、肉や野菜からとったブイヨン、塩、油などから作られています。ですからこれらの材料を加えることで味を補うことができます。
カレー粉
カレーに使われるいろいろなスパイスがバランス良く
ミックスされたカレーの素といえるものなので、加えるとカレーの風味と辛さがプラスされます。
塩
実はカレーも塩気がなければ味は決まりません。カレー粉などのスパイスの役割は基本的には香りつけです。美味しいと感じる味を作るには塩が欠かせません。塩を加えることでハッキリした旨味と味の一体感が感じられます。
コンソメ、鶏ガラスープの素
肉と野菜のエキス、甘み、塩気をプラスすることができます。特にコンソメは出汁ではなくそれだけで飲めるよう味付けされたスープなので薄味カレーをより濃くすることができます。
和風出汁の素もよいですが、蕎麦屋のカレーうどんのような和食よりな味に変わります。
サラダ油
油分はカレーにコクを出すのに欠かせないものです。加えることで旨味を際立たせ、マイルドで濃厚な印象を作ることができます。
人は油脂を摂取すると脳内物質の働きにより幸福感を感じることがわかってきたそうです。そのため、少し味が薄かったとしても油を加えることで満足感を得られやすくなると考えられます。
バターもカレーによく入りますが、味を濃くしようと入れると、人によってはクセのある臭いが気になるかもしれません。
ここに挙げた調味料とタマネギ、ショウガ、ニンニク、トマトがあればスパイスカレーさえも作れるので、味を大きく変えることなく濃くすることができるはずです。カレー粉がない場合にも、まずは塩かコンソメ・鶏ガラスープを試して味をみるのが無難でしょう。
※タマネギ、ショウガ、ニンニク、トマトを加える場合は塩をして油で炒めて充分に水分を飛ばしてから入れるとよいでしょう。これらは風味やダシの意味合いが強いので美味しさにつながりますが、ダイレクトに味が濃くなるわけではありません。
使えるけど味変わる可能性もある調味料【難易度:中~高】
カレー作りでよく隠し味に使われる調味料も味の濃さを出すのに利用できます。しかし、加えすぎると味を崩し迷走することになるので慎重に。
焼肉のタレ、マヨネーズ【難易度:中】
●焼肉のタレは醤油をベースにニンニクやリンゴなどを加えて作られた調味料で、焼き肉のほかに野菜炒めなども美味しく作れる日本人好みの味です。そのためかカレーとも違和感なく溶け込み、味を濃くするのに役立ちます。
●マヨネーズは油と同じくカレーにコクとマイルドさをプラスします。当然サラダ油を加えるより味の変化がありますが、マヨネーズ好きならこちらのほうがお好みの味かもしれません。
ソース、ケチャップ 【難易度:高】
ウスターソースや中濃ソース、ケチャップはカレーの隠し味として使われることが多い調味料ですが、味が濃いので入れすぎてしまうとカレーの味を大きく変えてしまう可能性があります。加える場合は少量ずつ味を確かめながら。
味を壊してしまうのが不安な場合には鍋に加えずに、カレーを皿に盛り付け食べるときに直接かけて味の変化を楽しみながら食べる、というような使い方もよいかもしれません。
シチューのルウ【番外編】
味わいは少し変わりますがビーフシチューやホワイトシチュー、ハヤシライスなどのルウを加えるのもあり。カレールウと同様に味が整えられているものなので足らない分の濃さをラクに補うことができます。
通常のカレー作りでも牛乳やバターを入れたり、トマトを加えたりすることもあるので味もケンカせず意外とマッチして代用できるのがシチューなどのルウです。
カレーは主張が強いので他のルウを合わせても「シチューっぽいカレー」「ハヤシっぽいカレー」というようにカレーベースの味になります。